−儚い命だから、
彼方の重荷になりたくない。
どうか、私を忘れて
何処か遠い所へ。
そう、あの空の向こうの様に−
彼女は、僕とそう約束した。
−君を忘れるなんて出来ないよ−
震える声でいなくなった彼女に囁いた。
何処へ行こう
涙が枯れた頃、僕は空を見上げた。
彼女との約束を守るため、
僕は空の向こうを探した。
目的の無い旅の一歩は何もかもが空っぽだった。
さようなら。
僕と彼女の思い出の墓標に振り向いた。
彼女が手を振ったような気がした。
彼女はもういない。
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